腰痛シンポジウム

腰痛シンポジウムに行ってきました。日常診療で診ることの多い腰痛について、そのメカニズムと治療法についての講演でした。

⚫️中村雅也教授(慶応大学)
平成22〜24年にわたる疫学調査の結果、慢性疼痛の有症者は15.4%で、疼痛部位は腰、頸、肩、膝に高頻度にみられた。有症者の42%が治療を受け取り、その内訳は医療機関が19%、民間療法が20%であった。治療期間は1年以上が70%と長期化しており、症状は3割が不変か悪化しており、治療に対する満足度は低かった。
→確かに!日常診療でもそのくらいの数字のような印象を受けます。運動器の慢性疼痛に対する治療体系を改めて見直すべきだと思いました。

⚫️関口美穂教授(福島県立医大)
腰椎椎間板ヘルニアはヘルニアによる神経根の圧迫(機械的圧迫因子)と炎症性サイトカイン(化学的因子)の両因子の存在が疼痛発現の病態として注目されている。
→緻密な研究に頭が下がります。

⚫️田口敏彦教授(山口大学)
神経機能障害からみた腰痛は、非器質的疼痛でなければ、侵害受容性疼か神経障害性疼痛かあるいはその混合性疼痛であり、6つの神経が痛みを発していることになる。侵害受容器のない神経根・馬尾・交通枝の痛みはすべて侵害受容性疼痛である。
→何度伺ってもわかりやすい講演で頭が整理されます。

⚫️川口善治教授(富山大学)
実際に腰痛患者に進めているWalkingと背筋運動について。
→早速、明日から外来で指導してみよう。

⚫️片田重彦先生(かただ整形外科)
仙腸関節機能障害とAKAー博田法
腰痛の原因は1980年仙腸関節運動障害があり、その軟部組織に存在する侵害受容器から疼痛が出現する。仙腸関節機能障害には3つの病態があり、機能異常を主体とする仙腸関節機能異常、関節炎を主体とする仙腸関節炎、その両者の混在する仙腸関節炎特殊型とした。腰痛に伴う神経脱落症状のない下肢痛としびれは、ほとんどすべて仙腸関節機能障害から生じる関連痛である。
→一度拝聴したかった講演です。是非一度、AKAの研究会に参加してみたいと思いました。

⚫️牛田享宏教授(愛知医科大学)
諸外国では半世紀以上前から麻酔科、整形外科、精神心理の専門家などを集積させ、しんりょうする集学的アプローチが進められてきている。本邦では2010年に”今後の慢性の痛み対策について(提言)”をまとめ、それに沿って集学的痛みセンターの開発が行われている。
→全く知りませんでした。このような取り組みが始まっていたのですね。

⚫️土井田稔教授(岩手医大)
手術療法
腰痛のメカニズムはすべての要素が複雑に関与していることが多く、個々の症例に応じて正しい病態を見極めた上で最適な手術療法を選択することが重要である。


シンポジウムの内容を書き留めました。

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